相続ニュース

このコーナーでは、相続に関する情報をお届けします(毎月1日更新)

2月号「貸付用不動産の評価方法の適正化」

2026.02.02ニュース

昨年12月26日、令和8年度税制改正大綱が閣議決定されました。このうち、今回の相続ニュースでは、貸付用不動産の評価方法の適正化についてご紹介いたします。

今回、相続税法の時価主義(相続税法第22条;財産の評価を原則として相続・贈与発生時点(課税時期)の時価で行う原則。)の下、貸付用不動産の市場価格と相続税評価額との乖離が生じている実態を踏まえ、その取引実態等を考慮した見直しが行われます。

① 被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得又は新築をした一定の貸付用不動産については、課税時期における通常の取引価額に相当する金銭によって評価する。

(注)「課税時期における通常の取引価額に相当する金銭」については、課税上の弊害がない限り、被相続人等が取得等した貸付用不動産に係る取引価額を基に地価の変動等を考慮して計算した価額の100分の80に相当する金額によって評価することができることとする。

② 不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産については、その取引の時期にかかわらず、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価する。

(注)「課税時期における通常の取引価額に相当する金銭」については、課税上の弊害がない限り、出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格・買取価格等、事業者等が把握している適正な売買実例価額又は定期報告書等に記載された不動産の価格等を参酌して求めた金額によって評価することができることとする。ただし、これらに該当するものがないと認められる場合には、上記①に準じて評価(取得時期や評価の安全性を考慮)する。

なお、上記の改正は、令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産の評価に適用されます。ただし、上記①の改正については、当該改正を通達に定める日までに、被相続人等がその所有する土地(同日の5年前から所有しているものに限る。)に新築をした家屋(同日において建築中のものを含む。)には適用されません。

この改正により、相続開始前5年以内に取得または新築された貸付用不動産については、取引価額等を基礎とした時価により評価されることになります。したがって、相続対策としてのアパートなどの資産の取得等は、できるだけ早めに取り掛かり、長期間保有することで節税効果が得られることになります。

相続対策を行う際には、できるだけ早く取り組むことが得策です。どのような対策が有効かについては、家族構成や資産状況により異なってきます。まずはお気軽にご相談ください。

ワンストップ相続のルーツ

代表 伊積 研二

2026年1月号「年頭のご挨拶」

2026.01.01ニュース

謹んで初春のお慶びを申し上げます

弊社は本年5月に設立20周年を迎えます

これもひとえに日頃よりご支援くださいました

皆様のご厚情の賜物と心より感謝申し上げます

これからも皆様のご期待に沿えるよう精進してまいります

今後とも変わらぬご支援ご指導を賜りますよう

何卒よろしくお願い申し上げます

本年がより良い1年になりますようお祈りいたします

 令和8年 元旦

                   株式会社日本相続センター

                   代表取締役 伊積 研二

12月号「改正住宅セーフティネット法について」

2025.12.01ニュース

本年10月1日に、改正された住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(以下、「住宅セーフティネット法」)が施行されました。住宅セーフティネット法とは、高齢者、障害者、子育て世帯、被災者、低額所得者などの「住宅確保要配慮者」(以下「要配慮者」)が賃貸住宅に円滑に入居できるよう、民間賃貸住宅の供給を促進するための法律です。今後、高齢者の増加等により要配慮者の増加が見込まれています。しかし、要配慮者への賃貸借契約については、賃貸人の視点からみれば、賃借人である要配慮者の孤独死や死亡時の残留物処理、家賃滞納等についてリスクが伴います。そこで、改正法では、賃貸人及び要配慮者が安心して住まいを提供及び確保できるよう、主に次の3点について改正がなされましたので、簡潔にご紹介いたします。

改正内容の概要については次のとおりです。

1.大家(賃貸人)と要配慮者(賃借人)の双方が安心して利用できる市場環境の整備

①「賃貸借契約が相続されない」仕組みの推進

通常賃借権は相続されますが、この仕組みでは賃借人の死亡時まで賃貸借契約が継続し、死亡時に契約が終了する終身建物賃貸借の認可手続を、住宅ごとの認可から事業者(賃貸人)の認可へと簡素化します。これにより、大家側は、賃借人死亡時に契約解除のための相続人探しが不要となり、次の契約までの手続きをスムーズに進めることができるようになります。

②「残置物処理に困らない」仕組みの推進

入居者死亡時の残置物処理を円滑に行うため、居住支援法人の業務に、入居者からの委託に基づく残置物処理を追加します。例えば、単身高齢者(60歳以上)が賃借人の場合等の利用が想定されています。

③「家賃の滞納に困らない」仕組みの創設

要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定します。住宅金融支援機構(JHF)の家賃債務保証保険により、認定家賃債務保証業者の要配慮者への保証リスクが低減されます。

④「入居後の変化やトラブルに対応できる」居住安定援助賃貸住宅(以下「居住サポート住宅))による大家の不安軽減

居住支援法人等が、要配慮者のニーズに応じて、安否確認、見守り、適切な福祉サービスへのつなぎを行う住宅(居住サポート住宅)の供給を促進します。入居する要配慮者は、認定保証業者が家賃債務保証を原則引受けします。

2.居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅の供給促進

居住支援法人等が大家と連携し、要配慮者のニーズに応じて、①日常の安否確認・見守り(ICT等による安否確認、訪問等による見守り)、②生活・心身の状況が不安定化した際の福祉サービスへのつなぎを行う住居(居住サポート住宅)の創設、供給促進が予定されています。

3.住宅施策と福祉施設が連携した地域の居住支援体制の強化

国土交通大臣及び厚生労働大臣が共同で基本方針を策定します。また、市区町村による居住支援協議会設置を促進(努力義務化)し、住まいに関する相談窓口から入居前・入居中・退去時の支援まで、住宅と福祉の関係者が連携した地域における総合的・包括的な居住支援体制の整備を推進します。

このように、住まいの確保にお困りの方と大家さんの双方により安心できる制度が開始されます。この改正によって、皆が安心して暮らせる社会になることを期待します。

なお、本制度の詳細については、「国土交通省 住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について」をご参照ください。

ワンストップ相続のルーツ

代表 伊積 研二

11月号「『人生100年時代』の備え」

2025.11.04ニュース

先月の相続ニュースでもお伝えしましたが、日本社会では、超高齢化・多死社会へと構造が変化し、「人生100年時代」といわれるように100歳まで生きることは珍しいことではなくなってきています。実際に、2025年9月1日時点の住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者数は、前年より4644人増加し、9万9763人となり、100歳以上の人口は55年連続で増加しています。内訳は、女性が全体の88.0%を占めており、女性が男性より圧倒的に長生きをしています。

「人生100年時代」と併せて、「長生きのリスク」という言葉もよく聞くようになりました。これは、長生きをすればするほど「経済的なリスク」がある、つまり生きるためのお金(生活費、医療費など)がかかるということです。現役時代から貯蓄していた方でも、年金だけでは暮らせない方が多く、これまでの貯蓄を取り崩して生活してきたけれども、長生きすればするほどお金が足りなくなってくるという不安が生じます。

最近では、つみたてNISAやiDeCoなどの長生きに備える商品が多くなってきましたが、物価も上昇している今ではお金に働いてもらう必要性を感じていらっしゃる方も多いと思います。

今回の相続ニュースでは、「長生きのリスク」の経済的リスクに備える部分については、別にお話するとして、長生きをする際の「判断能力低下のリスク」、いわゆる認知症対策についてお伝えします。

なぜ、認知症対策が必要かと言いますと、認知症と診断されてしまうと、財産が凍結してしまうという点にあります。つまり、本人が認知症と診断されると、何ら対策を講じていなければ、預貯金の引出しや解約、不動産の売却やアパートなどの収益物件の管理ができなくなってしまいます。なぜなら、これらの行為は法律行為だからです。認知症と診断されてしまうと、本人はもはや法律行為をすることができず、本人の家族が日常に必要な費用を立て替えて支払うなどの負担強いられることになります。

そこで、認知症対策の基本としては、「任意後見制度」と「家族信託」という制度を利用することが考えられます。「任意後見制度」については、詳しくは、今年の4月号相続ニュースをご参照ください。

「家族信託」は、委託者(財産の管理を託す人)である本人と、受託者(財産の管理を託される人)である家族、受益者(通常、本人)のために信託財産の管理を受託者に託すという内容の契約を締結します。例えば、高齢の親(委託者)が子ども(受託者)に、自分の認知症対策として、自宅や自分の預金の管理を託すことで、認知症になった場合でも、財産が凍結することを回避することができます。なお、自分の財産のうち、どの財産を信託契約で管理してもらうかについては、家族信託の契約書にて、具体的な契約内容を自由に決めることができます。

ただし、いわゆる「おひとりさま」の場合は、親族などのサポートを受けることが難しいのがほとんどなので、家族信託を利用することが難しいのが現状です。このような場合には、信頼できる第三者に財産管理を依頼するという「任意後見制度」を活用することが考えられますし、信託会社や信託銀行などの商事信託などの利用も有効です。

これらの対策ができるのは、判断能力が低下するまでの間のみです。時間が経てば経つほど不利になってきますので、早めの行動が大切です。何から始めたらよいのかお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

ワンストップ相続のルーツ

代表 伊積 研二

10月号「死後事務委任契約」という選択肢

2025.10.01ニュース

総務省の公表によると、2025年9月15日時点の日本の65歳以上の人口は3619万人で、総人口に占める割合は29.4%と過去最高になったそうです。年齢階級別にみると、70歳以上人口は2901万人(総人口の23.5%)で前年比4万人増、75歳以上人口は2124万人(同17.2%)で前年比49万人増、80歳以上人口は1289万人(同10.5%)で前年比1万人増となりました。

また、厚生労働省の調査によると、65歳以上の人がいる世帯は2760万4000世帯(全世帯の50.3%)のうち、単独世帯(おひとりさま)が903万1000世帯(65歳以上の人がいる世帯の32.7%)と最も多くなっています(厚生労働省2024(令和6年)国民生活基礎調査より)。

日本社会が超高齢化・多死社会へと構造が変化しているなか、終活という言葉をよく耳にしますが、実際に終活に取り組む際には様々なケースがあります。

特に、身近に頼れる人がいないおひとりさまの場合、ご自分が亡くなった際のことを考えると、誰に相談すればいいのか、どこから手を付ければいいのか悩まれている方が多いと思います。また、高齢化に伴い、家族以外の専門家などの第三者に死に関する手続き支援を委託したいというニーズも増えており、おひとりさまの場合「死後事務委任契約」について検討される方が増えています。

死後事務とは、主に、看取り、遺体の引き取り、葬儀、火葬、納骨等の「葬送」という事務と役所への届出等の諸手続き、電気・ガス・水道・新聞・電話等の私法上の契約に関する事務という2つに分けられます。「死後事務委任契約」は、被相続人(委任者)が生前お元気なうちに、専門家などの第三者(受託者)に対し、死後事務を委託するという契約です。この契約により、委託者の死後に実施される死後事務に伴う費用の支払いや、遺品整理・処分の財産処分等について、委任者である被相続人の遺志が実現されることなります。

被相続人の遺志の実現という点で、被相続人が生前お元気なうちに作成する遺言と性質が似ています。しかし、遺言が主に財産の処分に関するものであるのに対し、死後事務委任契約は被相続人の死そのものについて、亡くなられる際から関わる部分が多く、財産に関するものに限られない事務である点で、被相続人の死そのものに深く携わることになります。

したがって、生前お元気なうちからの具体的な対策が必要です。自分らしい最期を迎えるためにも、どのような最期を迎えたいのか、まずは検討することが大切です。

ワンストップ相続のルーツ

代表 伊積 研二

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