日本経済を支える中小企業では、近年、経営者の高齢化が進行する一方で、後継者の確保がますます困難となっています。事業承継に失敗して紛争が生じたり、会社の業績が悪化するケースも多く存在します。そこで、今号では、事業承継の現状を見てみましょう。

 1. 事業承継の現状

(1)経営者の高齢化の進展

   2009年現在、中小企業経営者の平均年齢は、約59歳5ヵ月まで上昇。

   一方、経営者の引退予想年齢は平均67歳。

   あと8年しか残っていない!    ⇒ 早めの対策が必要!

(2)現在の事業を次の世代に承継する上での問題点

  ①後継者がいない・決まっていない

  ②後継者への経営権(自社株の過半数等)の移転が容易でない

  ③相続税が支払えない

(3)事業を承継する場合の後継者等について

  ①後継者は、子供(娘婿・嫁等も含む)に決めている

  ②後継者は決まっていないが、いずれ見つけて事業を続ける

  ③後継者がいないので、自分の代で事業をやめる

(4)後継者の確保が困難

   経営者の子供が事業承継する割合20年前の50%

   後継者が既に決定している企業は全体の約43%

(5)計画的な事業承継対策

   計画的な事業承継対策をやる     ● 経営がスムーズに移転する        

                             ● 事業は安定する

                            ● 従業員の雇用が守られる

  計画的な事業承継対策をやらない    ● 経営が混乱する

                             ● 事業は不安定

                            ● 従業員の生活は脅かされる

(6)事業承継対策に失敗した場合

   最悪の場合、「廃業」となる

   年間廃業者数29万社のうち7万社の約25%は後継者がいないため廃業。

先ずは、「計画」が大事! 

事業承継対策は、

①現状の把握と分析、②事業承継の方法の選択、③後継者の選定、④事業承継環境の整備など個々の会社の実情に合わせたオリジナルな対策を検討及び決定していく必要があります。

また、決定したことを「事業承継の基本方針」とし、「事業承継計画表」を作成し、実行していかなければいけません。

この事業承継対策には、通常5年から10年程かかります。早く取り組めば取り組むほど有利ですので、現在60歳前後の経営者の方は、今すぐに取り掛かることをお勧め致します。

                                                             株式会社日本相続センター

                                                             代表取締役 伊積 研二

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長(案) 

父母や祖父母の直系尊属から居住用住宅取得や増改築のための金銭を贈与された場合、一定の要件を満たすときは贈与税が非課税となります。

この適用は、平成23年12月31日までになっていましたが、平成24年度以降の非課税限度額が見直され、適用が平成26年12月31日まで3年延長されました。

<現 行> 

・適用             平成23年12月31日まで

・非課税限度額     平成23年に贈与を受けた者  1000万円

<改正案>

・適用             平成24年1月1日から平成26年12月31日まで(3年延長)

・非課税限度額       特別枠 → 省エネルギー性・耐震性を備えた住宅用家屋

                 一般枠 → 上記以外の住宅用家屋

・非課税限度額(東日本大震災の被災者を除く)

 

特別枠

一般枠

平成24年中に贈与を受けた者

1500万円

1000万円

平成25年中に贈与を受けた者

1200万円

700万円

平成26年中に贈与を受けた者

1000万円

500万円

・適用対象となる住宅用家屋の床面積    240㎡以下(東日本大震災の被災者を除く)

・非課税限度額(東日本大震災の被災者)

 

特別枠

一般枠

平成24年中に贈与を受けた者

 

1500万円

 

1000万円

平成25年中に贈与を受けた者

平成26年中に贈与を受けた者

 

相続税の連帯納付義務の見直し(案)

相続により財産を取得した者は、その相続に係る相続税について、その相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の義務を負うこととされています。したがって、自分の相続税納付が終わっても、他の相続人が延納を選択し、その後納付ができなくなった場合などは、相当期間が経過した後でも連帯納付義務のある別の相続人に相続税が請求されます。                                                                          この相続税の連帯納付義務について、相続後長期間経過した後に履行を求められるケースなどの発生を防止する観点から見直しが行われ、連帯納付義務が解除されます。

<改正案>

・適用          平成24年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税

                       (同日において滞納となっている相続税含む)

・解除要件           ①申告期限等から5年を経過した場合

                             ただし、5年経過時点で既に連帯納付義務の履行を求めているものに

                             ついては、継続して履行を求めることができます。

                     (参考)徴収権の消滅時効は5年(国税通則法72条)

                            ②担保を提供して延納又は納税猶予の適用を受けた場合

 

山林についての相続税の納税猶予制度の創設(案)

森林法による森林経営計画に基づく施業の継続を条件とし、施業の集約化及び路網の整備を行う山林について、その評価額の80%に対応する相続税の納税を猶予する制度が創設されます。

<制度の概要>

・納税猶予の対象    森林法に定める森林経営計画に従って施業・路網整備を行う山林 (林地・立木)

                           山林は100ha以上に限られます。

                           立木は相続開始時点から一定期間(相続人の余命年数と30年のいずれか短い

                           期間)内に標準伐期を迎えないものに限られます。

・納税猶予割合      上記対象山林の評価額の80%に対応する相続税

・納税猶予の条件    森林経営計画に従った施業の集約・作業路網の整備

                計画に従った施業を行っていない場合には、猶予税額を納付

・チェック体制        上記の条件については、毎年、農林水産大臣が確認

・猶予税額の免除    相続人が死亡した場合には、猶予税額を免除

 

今回の改正案では、住宅取得等資金を贈与した場合の贈与税の非課税措置は、拡充及び延長されることとなりそうですので、これまで利用できなかった方には朗報です。経済の活性化や環境のためにも役立ちますのでご活用を検討されては如何でしょうか。

しかし、平成23年度税制改正案にあった「相続税の基礎控除及び税率」の見直し案については、平成24年度税制改正案の中ではなく、「社会保障と税の一体改革」の中の2つの税制抜本改革の1つである「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」の中に組み込まれました平成24年3月30日閣議決定、国会提出)。内容は平成23年度税制改正案とほぼ同じですが、適用開始時期は、平成27年1月1日以後に開始する相続からとされています。この法案が国会で可決された場合、相続税の基礎控除が大きく変わることとなりますので注意が必要であるとともに、生前贈与等を検討していく必要がありそうです。

                                                                                                                   税理士 髙濵 三喜夫

我が国の中小企業経営者の平均年齢は約60歳と高齢化しており、大量交代時期が間近に迫っているため、事業承継は避けて通れない大きな問題となっています。

中小企業の経営環境はやや回復してきたものの、まだまだ厳しいのが実情で、多くの経営者は売上の増加や経費削減などによる利益確保に日々努力を重ねながら会社や雇用を守っています。

しかし、経営者として目先のことだけでやっておれば良いかというとそうではなく、会社の将来のこと、つまり、次世代の後継者のことも考えておかなければなりません。

もし、何の準備もなしに現経営者に万が一のことが起こった時のことを想像してみて下さい。

その時、我が社はどうなっていることでしょうか。

また、何の準備もなしに、現経営者の年齢が70歳になった時のことを想像してみて下さい。

その時、我が社はどうなっていることでしょうか。

このように、「将来のことを立ち止まって考えてみること」も経営者の仕事として大変重要なことです。

事業承継対策を考える前に、先ず、「我が社の将来について考えること」をお勧めします。

経営幹部や従業員の皆さんも、時には、「我が社の将来はどうなるのか」と考えることはあっても、現実的には経営に口出しすることができないことが多いのです。

したがって、事業承継に関しては、現経営者が取り掛かるべき重要な事項であるといえます。

 

事業承継対策は

①現状の把握と分析

②事業承継の方法の選択(a.親族内承継、b.親族外の役員・従業員への承継、c.第三者への売却)

③後継者の選定

④事業承継環境の整備等

個々の会社の実情に合わせたオリジナルな対策を検討及び決定していく必要があります。

また、決定したことを「事業承継の基本方針」とし、「事業承継計画表」を作成し、実行していかなければいけません。

この事業承継対策には、通常5年から10年程かかりますので、現在60歳前後の経営者の方は、今すぐに取り掛かることをお勧め致します。

 

                             株式会社日本相続センター
                             代表取締役 伊積 研二

今年1月21日に公開された映画「ALLWAYS 三丁目の夕日‘64」をご覧になられたでしょうか。この映画の設定は、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催時を設定としています。この映画を見て涙しない人はいないほど、昭和という時代の中で一番良かった頃かもしれません。 

戦後の日本経済を振り返ってみると、1955年(昭和30年)から1973年(昭和48年)の18年間が高度成長期と言われ、1964年(昭和39年)はまさに高度成長期のど真ん中に当たります。

この高度成長期において、多く中小零細企業が創業されました。その頃に産声を上げた中小企業の創業経営者たちが現在、60代、70代の経営者として、次の世代へバトンタッチをする時を迎えています。

その後、1974年(昭和49年)から1985年(昭和60年)までが安定成長期でしたが、1985年9月22日のプラザ合意により、一気に円高ドル安にシフトして、1ドル240円が1年後には120円まで急激に円高が進みました。その後の5年間はバブル期に入り、1991年(平成3年)2月、バブルが崩壊し、日本経済はその後20年たった今でも、不況から脱出することが出来ないでいる状態です。

この失われた20年といわれる間に、我が国は2度の大震災を経験することとなりました。1995年(平成7年)1月17日に起きた阪神・淡路大震災と2011(平成23年)3月11日に起きた東日本大震災とそれに伴う福島原発事故です。

これにより日本経済は多大なる被害を受けました。その結果、日本は1980年(昭和55年)以来31年ぶりに貿易収支は赤字に転落することとなりました。

このような厳しい日本経済にも負けずに頑張ってこられた経営者各位には、何とか会社を存続して欲しいという思いがあります。

そのためには、今現在のことだけではなく、将来のことも考えて経営を行う必要があると考えます。

具体的には、中長期の経営計画に事業承継計画を盛り込んで、「事業承継対策」の検討及び計画と実施が必要です。

 事業承継は、一朝一夕にはできず、通常着手から5年から10年の期間がかかります。

会社の目的である経営理念を実現するためにも、事業承継対策を早期に取り掛かることが大切です。

現在、私も事業承継対策を実施しているところです。ご相談されたい方は、お気軽にご連絡下さい。

 

                                            税理士 髙濵 三喜夫


謹んで新年のお慶びを申し上げます
 

新しい年を迎え皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

昇り竜は出世の象徴とされます

困難な滝を登りきると鯉は竜になるという話があり

鯉が昇る滝の関門から登竜門という言葉ができたようです

これからも皆様との「絆」を大切にして

昇り竜のように天空に飛翔して参りたいと考えております

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

 

平成24年度税制大綱では相続税の改正は見送られました。

相続税の改正は23年度の改正が見送られ、専門家の間では24年度の改正は行われると思われていましたが今回も見送りです。

その代わりに政府は消費税の増税に大きく舵を切っています。

日本の財政状況を考えると増税は避けられません。

では、税目を何にするかと検討した結果、安定して税収が見込まれる消費税を柱とする増税になったのでしょう。先進国の中で日本の消費税率は低く、まだ上げやすい環境にあることも要因の一つかも知れません。

たぶん増税を喜ぶ人はいないと思いますが、このまま何の手も打たずにいると、国の借金はますます増加し、その借金返済を私達の子や孫へ引き継がせることになってしまいます。そのようなことは、親として誰も望んでいないと思います。

今、EUの中でギリシャやスペインの国債の信用不安が高まり、EUの通貨のユーロも為替相場が99円台をつけるほど価値が下落しています。一方、円相場は76円台をつけています。

円高の要因は、EUや米国の信用が低下しているため、ユーロやUSドルから比較的安全な円に避難しているためです。つまり、日本も同様の信用危機が起こりえるということです。そのターニングポイントは、日本の国債発行残高が日本人の保有する1400兆円を超える時と考えられており、その時期は迫ってきています。

年頭から重苦しい話題で申し訳ありませんが、年頭だからこそ現実を直視して、私達に何ができるかを考えなくてはいけないと思うのです。

その答えを東日本の大震災から学び見つけることができると思います。同じことが私達にも起こったと仮定して考えてみましょう。津波に家族や家が飲み込まれ、多くの尊い命や財産を失いました。深い悲しみとこれからの生活や将来の不安などが一度にやってきました。普段の生活でこのように一度に災難が襲ってくることはありません。

しかし、この信じがたい現実を受け入れなければならなかったのです。何でこんなことになったのか、夢であって欲しい、時間を戻して欲しいと思ってもどうすることもできないのです。しばらくは無気力な状態と自暴自若な気持ちで葛藤があると思います。

そのような時に、全国各地や海外からも被災地の復旧と復興を願い、多くの援助の手が差し伸べられました。どれほど勇気づけられることでしょう。何重もの光明が差しこみ、絶望の淵から抜け出すことができるのです。頑張れ日本!日本人の友愛の精神と根性をあらためて感じました。東北の言葉で「がんばっぺ」は、「みんなで頑張ろう」と聞こえます。「絆」の大切さを教えられました。

これまで日本は歴史的に幾度の試練を乗り越えてきました。今回の大震災も匹敵する試練であると思いますが、必ず乗り越えられるものと信じています。

日本には「慈愛の精神」があります。この精神で一人ひとりが今自分にできることは何かを考え行動を起こしていくことで日本を復興していけると思います。できることは何か。それは一人ひとりの心の中にあります。がんばっぺ。

                                ルーツロゴデータ(JPEG).jpg                                   
                                   株式会社日本相続センター
                                   ワンストップ相続のルーツ熊本センター
                                   代表取締役 伊 積 研 二 

 

 

 

適用はその改正年度、具体的には4月1日から適用されることとなります。

昨年の相続税改正論議では、10月提案、今年の3月通常国会で成立して、遡って前年の10月からの適用と騒がれていました。 

これは法律の基本原則を無視したものでした。弁護士の政治家に、この遡及適用を話したところ、法律の大原則、不遡及の原則を無視したもので、到底容認はされないだろうとの事でした。

憲法39条では、「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。また、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。」とあります。

実際の提案は、適用を訴求とはしていなかったのですが、東日本の大震災もあり、審議に入らず成立にまでは及びませんでした。また、三党合意で震災復興増税から相続税の増税案は外されています。しかし、今年の法案提出はあるのではと推測されます。改めて増税案を見てみましょう。 資産課税平成23年度案(財務省平成23年度税制改正大綱より)

 

【相続税・贈与税の見直し】

① 相続税の課税ベース及び税率構造について、次の見直しを行います。

イ 相続税の基礎控除

 

現 行

改 正 案

定額控除

5,000万円

3,000万円

法定相続人
比例控除

  1,000万円に法定相続人数
  を乗じた金額

  600万円に法定相続人数
  を乗じた金額

  

ロ 死亡保険金に係る非課税限度

現  行

改 正 案

  500万円に法定相続人の
  数を乗じた金額

 500万円に法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始
 直前に被相続人と生計を一にしていた者に限ります)の数
 を乗じた金額

 

ハ 相続税の税率構造

現 行

税率

改 正 案

税率

   1,000万円以下の金額

10%

同 左

 

   3,000万円  〃

15%

 

   5,000万円  〃

20%

 

       1億円  〃

30%

 

       3億円  〃

40%

     2億円以下の金額

40%

 

     3億円  〃

45%

       3億円超の金額

50%

     6億円  〃

50%

 

     6億円超の金額

55%

 

② 未成年者控除及び障害者控除を次のとおり引き上げます。

イ 未成年者控除

現 行

改 正 案

20歳までの1年につき6万円

20歳までの1年につき10万円

  

ロ 障害者控除

現 行

改 正 案

85歳までの1年につき6万円
(特別障害者については12万円)

85歳までの1年につき10万円
(特別障害者については20万円)

(注)上記①及び②の改正は、平成23年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用します。

 

③ 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について、次の見直しを行います。

イ 20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造

現 行

税率

改 正 案

税率

   200万円以下の金額

10%

同 左

 

   300万円  〃

15%

    400万円以下の金額

15%

   400万円  〃

20%

    600万円  〃

20%

   600万円  〃

30%

   1,000万円  〃

30%

  1,000万円  〃

40%

   1,500万円  〃

40%

 

   3,000万円  〃

45%

  1,000万円超の金額

50%

   4,500万円  〃

50%

 

   4,500万円超の金額

55%

 

ロ 上記イ以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造

現 行

税率

改 正 案

税率

   200万円以下の金額

10%

同 左

 

   300万円  〃

15%

 

   400万円  〃

20%

 

   600万円  〃

30%

 

  1,000万円  〃

40%

 

 

   1,500万円以下の金額

45%

  1,000万円超の金額

50%

   3,000万円  〃

50%

 

   3,000万円超の金額

55%

  

④ 相続時精算課税制度の適用要件について、次の見直しを行います。

  イ 受贈者の範囲に20歳以上である孫(現行 推定相続人のみ)を追加します。

  ロ 贈与者の年齢要件を60歳以上(現行 65歳以上)に引き下げます。

(注)上記③及び④の改正は、原則として平成23年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用します。

 

⑤ 相続税の連帯納付義務者が連帯納付義務を履行する場合に負担する延滞税については、一定の要件の下、利子税に代え
   る等の措置を講じます。

(注)上記⑤の改正は、平成23年4月1日以後の期間に対応する延滞税について適用します。

 

法案がそのまま通ると、適用年度の平成23年が平成24年となります。そして、課税最低限が40%下げられることになります。
配偶者と子供2人の場合の最低限が現行の8,000万円から4,800万円となります。このことによる納税対象者は倍加すると言われています。

 

税理士 山本 友晴

 

贈与税の住宅取得等資金の特例の資金使途の要件が緩和され使いやすくなっています。

贈与資金が自宅の建築や取得、増改築のための資金で一定の要件を満たす「住宅取得等資金」に該当する

次のメリットがあります。

住宅資金非課税限度額1,000万円まで贈与税は非課税

平成23年中に、父母や祖父母または養父母から住宅取得等資金の贈与を受けた子や孫が、建売住宅や分譲

マンションなどの住宅用家屋の新築や取得または増改築等について一定の要件を満たす場合には、その贈与

により取得をした住宅取得等資金のうち、住宅資金非課税限度額1,000万円までの金額について、贈与税は

非課税となります。

なお、贈与税の基礎控除額110万円とは別枠ですから、1,110万円(1,000万円+110万円)までが非課税で

贈与ができます。

原則、相続開始前3年以内の相続人等に対する贈与財産は、相続税の申告の際に相続税の計算に含めな

ければ
なりません。これを生前贈与加算といいます。

しかし、住宅取得等資金1,000万円までの金額については、贈与税の非課税財産に該当するため、計算に

含め
る必要はありません。

つまり、「贈与時に非課税」で、尚且つ「相続時も非課税」ということになります。

 

②相続時精算課税の特例

65歳未満の父母からの贈与についても相続時精算課税の適用が受けられる特例です。相続時精算課税は、

65歳以上の父母からの贈与が対象ですが、平成23年中の住宅取得等資金の贈与なら要件を緩和して65歳

未満の父母からの贈与についても選択できるようになっています。

相続時精算課税の特別控除は2,500万円ですから、上記①を合算した3,500万円以下であれば贈与税は

非課税です。

預金等の財産を多く保有する父母や祖父母または養父母から、次の世代の子や孫が住宅取得等資金の

贈与を
受け、住宅用家屋の新築や取得または増改築等のために、その資金を利用する。このことで少しでも

「経済を活性化」していくことに繋がれば、国も私人のどちらも結構なことだと思います。

 

ルーツロゴデータ(JPEG).jpg 株式会社日本相続センター  

代表取締役 伊積 研二

 

 

贈与していた財産が、相続財産であると認定された事例について、なぜそうなったのかを検証してみます。

 

◆調査事例(昭和65年の事例) 相続税の申告後2年経過時に調査があった。

相続税申告時、時価総額1億円ほど株式があったが、名義が配偶者になっており、相続財産ではないと考え申告財産には算入していなかった。

調査の結果、相続財産とみなされ、配偶者の取得分とされた。相続税の納税額は総額3,000万円であったが、過少申告となり、過少申告加算税、延滞税合計で約900万円支払うはめとなった。

 

◆なぜそうなったのか  

■ 

1.実質的に株券を配偶者が保存しておらず流用していなかった。

  全部をまとめて相続前も後も家庭の財産として同一保管場所に一緒に保存していた。

2.証券会社との取引も被相続人の同一印鑑で行っていた。

 判 断

1.贈与の意義 贈与は、民法上の契約関係である。物品を無償で人に提供することを贈与というが、

  贈与する人を贈与者、贈与を受ける人を受贈者と呼ぶ。やる人ともらう人の契約関係である。

2.契約関係であることから、受贈者(財産をもらった人)はいつでもその財産を自ら自由に使用または

  処分することができねばならない。

3.上記のことから、受贈者が、自由に処分事が出来ていないこと、そして印鑑が同一印鑑ですべての

  取引がなされていたことから相続財産と判断された。

 対 策

 贈与は契約関係であること、このことから実質上受贈者はもらった財産を自由に処分できることで

 なければならない。当然、押印が必要な印鑑は受贈者が自ら持っていることが条件となる。

  預貯金もこれに該当する。きちんと贈与契約書を交わし、それぞれが自由に処分できるようにして

 おくことが大事である。預かることと、実質支配していることとは大きく違う。

 

 税理士 山本友晴

 

■ 相続税または贈与税の農地等に係る納税猶予について

<質問>

相続税または贈与税の納税猶予の特例の適用を受けている農地等について、災害を基因として次に掲げる場合に該当したときは、猶予税額を納付する必要がありますか。

① 津波により一時的に利用できなくなった場合

② 被災地の道路建設のための資材置場として一時的に県へ貸し付けた場合

③ 被災者用の仮設住宅用の敷地として一時的に市へ貸し付けた場合

<回答>

①から③のいずれの場合も、相続税又は贈与税の納税猶予の特例の適用を受けている農地等については、災害のためやむを得ず一時的に農業の用に供することが不可能となったと認められることから、引き続きその農地等は農業の用に供しているものとして特例の適用が継続されます(納税猶予の期限は到来しないことから、猶予税額を納付する必要はありません。)。

【関係法令等】

措法第70条の4第17項、第70条の6第21項 、措通70の4-12、70の6-13の3

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について

<質問>

相続により取得した被相続人の事業用の宅地について、災害によりその事業を営むことができなくなった場合には、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」は適用できないのですか。

<回答>

被相続人の事業の用に供されていた施設が災害により損害を受けたため相続税の申告期限においてその事業が休業中である場合であっても、その施設を相続により取得した被相続人の親族が事業再開のために準備を進めているときには、その施設の敷地は、その申告期限においてもその相続人の事業の用に供されているものとして取り扱われます。これにより、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の要件の1つである事業の継続要件(注)は満たすことになります。

したがって、事業の継続要件以外の他の要件のすべてを満たす場合には、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることができます。

なお、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等の居住又は事業の継続要件の判定においても、上記に準じた取扱いとなります。

(注) 特定事業用宅地等として「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けるためには、被相続人から被相続人の事業の用に供されていた宅地等を相続により取得した親族が、相続の開始の時から相続税の申告期限までの間にその宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地等を有し、かつ、その事業を営んでいることが必要となります。

【関係法令等】

措法第69条の4第3項 、措通69の4-17

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■ 国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税等について

<質問>

東日本大震災義援金として日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座等に対して、相続により取得した金銭を拠出した場合、その金銭は、「国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税等」の特例の対象となりますか。また、その手続はどのように行うのでしょうか。

<回答>

相続により取得した金銭を、相続税の申告期限までに日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座等に対して拠出した場合には、その金銭は「国等に対して相続財産を贈与した場合等の非課税等」の特例の適用を受けることができ、相続税の課税対象となりません。

また、この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書等にこの特例の適用を受ける旨及びその寄附に関する事項を記載し、かつ、日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座等に支払ったことが確認できる書類(例えば、郵便振替で支払った場合の半券(受領書)や銀行振込みで支払った場合の振込票の控えなど)を添付してください。

【関係法令等】

措法第70条第1項、第5項

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■ 贈与税の非課税財産について

<質問>

震災後、知人から見舞金を受け取りましたが、この見舞金の課税はどのようになりますか。

<回答>

受け取った見舞金がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、贈与税及び所得税の課税の対象とはなりません。

【関係法令等】

相基通21の3-9、 所法第9条第1項第16号、第17号、所令第30条第3号、所基通9-23

 

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(国税庁ホームページより抜粋)

国税庁のホームページには、東日本大震災の災害に関連するお知らせが数多く掲載されています。国が被災に遭われた方へ、どのような税制面のサポートを行なっているのか分かりますので、一度ご覧になってください。

東日本大震災で被災に遭われた個人や法人の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

ルーツロゴデータ(JPEG).jpg 株式会社日本相続センター

代表取締役 伊積 研二

 

相続税の時価について

相続税は被相続人の遺産総額が一定額を超えると遺産を相続等により取得した相続人等に課税される税金です。

 この遺産総額については時価評価が基本となっています。現金、預金等はその金額や表示金額が時価であるので、問題ないのですが、特に時価という場合には土地、建物の評価をどうするかが一番問題になるところです。

相続税の財産評価通達にはその土地の評価の仕方が決められています。

建物は、固定資産税評価額を基にその1倍となっています。

土地についてはその所在地により、固定資産税の評価額を基に倍率を定めたもの、都会の土地は道路に面した土地に路線価を定めそれを基に土地の形状等を勘案して時価を求めるものとの大きくは二つに分けられています。

・倍率適用地   倍率は国税庁のホームページで閲覧できます。

・路線価適用地  路線価も国税庁のホームページで閲覧できます。

これらは基本的には机上で計算できるものですが、路線価適用地はその土地の形状によって大きな差が出てきますので、現地をしっかり把握しておく必要があります。

さて、東日本大震災のような大きな被害があった場合にはどうなるのでしょうか

被害資産分についての相続税の減免措置がありますので、相続税の実際の納税額は少なくて済みますが、相続財産の価格は評価通達で評価になりますので、時価が上記のように決められてしまうと実情に合わないこととなります。

評価通達と大幅な違いが出てきた場合には、実情の時価が採用されることとなっています。ではその実情の時価とは、これは大変難しい問題ですが、一般的には不動産鑑定評価によることが一番適正と思います。

被災地だけではなく、一般的にも現状が土地評価基準から大幅にかい離する場合には不動産鑑定士に評価を依頼して時価算定をすることができます。トラブルを避けるためには事前に所轄の税務署と相談することが肝要です。   

 

 税理士 山本友晴